WORLD’S END とDAYSの関係についての考察
来たる6月9日、The QUEEN of PURPLEの1st ワンマンライブ、“I'M THE QUEEN, AND YOU?"が開催されます。それに先んじて5月22日に1stあるアルバム“I‘M THE QUEEN”が発売されました。ポップな青春パンクを感じさせる4Uとは対照的に、重厚なHR/HM系のアルバムでした。重厚感のあるイントロのI’m queen,BitchからMajesty、THUNDERBOLTと一気に駆け抜け、テンポを落としたKIDBLUE、そしてそれぞれのソロ曲へと続き、先のライブで披露されたClash!!、集大成といえるI AMから、スタジアムアンセムとなるであろうDAYSとかなり完成度の高いアルバムとなっておりました。
その中でも特に最後のDAYSは、セブンスシスターズのインディーズ時代の曲である“WORLD’S END”とのつながりを感じさせる歌詞となっていたので、歌詞について考察したいと思います。
<QOP結成と羽生田ミトの関係>
The QUEEN of PURPLE(以下QOP)の結成には、羽生田ミトの音楽に惹かれた瀬戸ファーブが共通の価値観を持つ越前ムラサキをボーカルとして誘うことから始まりました。
「好きだよ。なんて言うか、閣下の声を聴いてると浮かんでくる景色があってさ」
「……景色?」
「ん……なんにもない、そこが高いところなのか、そうじゃないのか……冷たい風が吹いてるような、本当に世界の果てみたいなところ。そこで、閣下がたったひとりで歌ってるような―そんな景色。それがたまらなく好きかな」
そう言った栗色の髪の少女は、すぐに「勝手なイメージだけどね」と笑う。けれどそれを聞かされた側は、目を丸くして心底驚いた表情を浮かべていた。
「今時、自分以外で閣下なんて呼ぶヤツと出会うだけでも珍しいってのに……その相手が、まさか自分と同じことイメージしてるだなんてね」
Tokyo 7th sisters -EPISODE. THE QUEEN of PURPLE- より引用
小説の中においては2人が聞いている曲は、インディーズ時代の羽生田ミトが一人で歌った曲がネットに出回ったものとされており、「セブンスの曲―になるはずだっただろう曲」とされており、曲名は明言されていません。しかしながら2人が「世界の果てみたいなところ」とイメージしている所から「WORLD’S END」とのつながりを感じさせます。2人が聞いていた羽生田ミトの曲を基にブラッシュアップしたものがセブンスシスターズの歌うWORLD’S ENDなのではないでしょうか?
そうしてみた時に、アルバムの最後の曲は2人の出会いの曲、「WORLD’S END」へのアンサーであると考えられます。
<WORLD‘S END の歌詞について>
WORLD‘S END はセブンスシスターズの曲というよりも、ミトの個人的な曲という側面が強く表れています。
WORLD‘S END のCDの帯には「A.D.2030、イマはまだ夜明け前―伝説のセブンスシスターズ、インディーズ時代の初期衝動」と書かれており、歌詞には羽生田ミトの自分自身でも分からない抑えきれない情動がにじみ出ています。kz氏はCOMPLETEMUSICFILEの中において、『売れないバンドの曲を書いた時にどういう心境で歌詞を書くのか考えた結果何も解決しない歌詞になった』と述べています。
歌詞について見てみると、全体を通し “暗く抑圧された感情”が流れ、サビにおいて“それを打ち破りたいという激情”を見てとる事ができます。
Aメロの歌詞においては、「見果てぬ明日を信じてないのは 凍えた昨日が足を掴むから かさねた指先 小さな祈りが 少しずつ遠くなっても」と過去が枷となって足枷となり前に進むことがきず、もがいている様子が見て取れます。ここの“小さな祈り”とは“子供のころの願い”であり、それが遠くなっている事を表しているのではないでしょうか?
そして「たとえば刻むほどに 消えてく想いなら 確かなものだろう」と続きます。これは、“時を”刻むほどに消えていく想い(初期衝動)ほど確かなものだろうと歌っていると思われます。サビでは「この声が誰に届かなくても、すべてじゃなくていい、向かうべき場所なんてないとしてもNow hands up & carry on Sout louder All I want is break it for you again」と現状を破壊したいと高らかに叫びます。
<DAYS の考察>
DAYSの歌詞にはWORLD'S ENDの歌詞を受けて対になる表現が多く出てきます。
Aメロの歌詞「暗闇の中で見つけたのは 消せない孤独と抱き合わせの倖せ 願い事をしたあの日から 少し遠くなっても」とありますが、これはW.E.のAメロの「見果てぬ明日を信じてないのは 凍えた昨日が足を掴むから かさねた指先 小さな祈りが 少しずつ遠くなっても」と対になっています。W.E.が過去に捕らわれ足掻いているのに対し、DAYSでは「孤独と抱き合わせの倖せ」と暗闇の中に希望が込められた歌詞となっています。
また、BメロにおいてもW.E.では「わずかに残った微かな願いは 雪空に舞って散り散りに消えた」と歌っているのに対し、「願い事は覚えてないから 忘れないように ひび割れたままでいい 何気ない寂しさや 行き場のない孤独が降り積もる雪のようでも」と“ひび割れたままでも 忘れないように”と希望のある返しとなっています。
そして、どうしようもない感情をぶつけるW.E.に対し、「やるせないこの胸の張り裂けそうな痛みに 答えなど何もなくても It’s your days It’s your days, hello
辿ったこの道の先を まだ向こうへと歩いてる」と返します。
Daysの歌詞はQOPが辿った日々を歌うと共に、羽生田ミトの辿った道の先を歩いているというアンサーなのでは無いでしょうか?